三つの詩

街を一人歩いても

 

街をひとり歩いても

車に乗って走っても

何にも変わりはしない

今 することは 生きること(何なのだろう)

タバコに火をつけても

お酒を流し込んでも

人の心は変わりはしない

今 することは 生きること(何なのだろう)

時には叫んでみたけれど

他人に 何が出来るのか

自分のことで 精一杯な世の中に

愛されることを望んでも

それは悲しいことばかり


ここにいれば 一人

 

ここにいれば いつまでも 一人っきりなのだ

縛られた時間の中に生かされている

笑顔の裏に 君たちの心は見えない

白い壁の内側 低い空の下 暗い太陽

柔らかい肌のぬくもりもない

胸躍る甘美な瞬間‥‥消えてゆく

自分を包んでいた総ての優しいものが消えてゆく

ここにいれば 自分はひとりなのだ

何故 君達に それがわからない

自分のため息に目を覚ます夜の悲しさを

どうして わかってくれようとはしないのだ

この風の行き着くところ

 

この風の行きつくところ

そこには 何があるのだろう

冷たい風の行きつくところに

ぬくもりは あるのだろうか

優しい風よ いつまで舞い踊る

いつになれば

私のところに 降りてくる

福嶋 真純(享年26才)

1960.4.29〜1986.5.14

福岡市南区出身 東京藝術大学声楽科(テノール)在学中に病没

上記の詩は、闘病中夜間誰もいない病室でかかれ、死後、見つかったものです。

彼に代わって、闘病中にお世話になった方々にお礼申し上げます。

彼は、違う世界(天国?)に行ってしまいましたが、明るい世界で、幸福にしているようです。

変な話ですが、私の子供2人共に、しゃべりだしてすぐに、彼のことを私に伝えてくれました。

あちらの世界で、私のところに生まれてくることを話してくれたそうです。

ここでは、あまり書きませんが、いろいろ、あちらの世界のことを教えてくれました。

あまり書くと、こちらの世界のあり方が、判ってしまいますので、これ以上文章では書きません。

兄 福嶋 康礼

 

彼が最後の外出時に、残してくれた録音です。

元気だったときの歌声とは、程遠いですが、かけがえの無い録音です。